地味だが、確実に力がつくあの方法とは?
語学の習得というのは、環境が大切であることは言うまでもありません。中国人としゃべる機会が多い人は、やはり上達は早いし、そうでない場合は、なかなかうまくなる実感がわかないかも知れません。
では、語学的な環境に恵まれない場合、どうすればいいでしょうか?
自分は、職業柄、日本語の上手な中国人と会う機会が多いのですが、その中で、特に日本語が流暢な女性がいました。
その方は、日本に留学したわけでも、日系企業で働いていたわけでもなく、大学で日本語を勉強した以外は何もしていないというのですが、彼女に言わせると、日本語のテキストをひたすら「丸暗記」する以外、特になにもしなかったということです。
「なるほど、そういう方法もあるのか。」と妙に納得した次第です。
確かに、丸暗記というのは、面白くないし、地味だし、ストイックでつらい作業です。スポーツなら、珠を打たずに、ひたすらヒンズースクワットをやるようなものでしょう。
しかし、これこそが、語学学習の王道なのかもしれないと思うわけです。
なぜなら、語学というのは、いくら授業をうけようが、自分の頭や体の中に、その意味やリズム感を覚えさせない限り、いつまでたっても定着しないからです。
以前習ったけど忘れたことを「あれは、なんていう意味だったけ?」と、辞書をひいたりしても、その場では納得したとしても、自分の頭の中に、記憶として定着しないわけです。習っては忘れ、習っては忘れのくりかえしで、いかにも効率が悪いです。
その点、丸暗記というのは、中国語の意味と語順、リズム感というものを、まるごと叩き込んでしまうので、非効率なように見えて、結局は一番、効率的だったりします。
そういえば、子供のとき、枕草子など古文の文章を暗証させられたものですが、これなども、若い頭のうちにそういうものを、体でしみこませていくという意味では、有効な手段かもしれないです。
ちなみに、丸暗記をする場合ですが、間違った発音で丸暗記しても仕方ありませんので、できれば最初はネイティブに発音をチェックしてもらいつつ覚えるのがいいでしょう。
また、使わない例文を暗記してもしょうがありませんので、「口語(話し言葉)」としてナチュラルかどうか、これも最初に、ネイティブ講師にチェックしてもらうとよいと思います。
資料としては、自分が現在使っているインプット用のテキストよりも、一ランク、レベルが下のものがいいでしょう。レベルが上に行けば行くほど、あまり使わない専門的な知識などが出てきますので、そういうのは覚えてもしょうがないですから、初級から中級のテキストで、平易な会話表現がいいと思います。
以上、丸暗記についてでした。
もちろん、丸暗記というのはハードですので、万人にオススメできる方法というわけではありません。週に一回、楽しみとしてのんびりと中国語のレッスンを受けたいというかたもいるでしょうし、また、一般的に、若い方はいいと思いますが、中高年には辛いと感じます。
ただ、テキストばかりやっているが、今ひとつ、しゃべるようにならないという人にとって、ひとつの突破口として、お考えいただければと思っている次第です。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません