中国十大方言(闽、呉、客家、晋、湘、赣、粤、官、徽、平話)について
日本に、関西弁とか東北弁があるように、中国にも方言があります。
いや、あるどどころの話ではなく、実際、方言だらけともいっていい位です。しかも、お互いにまともに話したら通じないレベルなので、その差たるや日本の比ではありません。
普段、我々が、中国語と呼んでいるものは、普通話というものですが、あの発音のとおり、話している中国人はあまりおらず、実際は、多かれ少なかれ、皆、なまっていると言って過言ではないでしょう。
今回は、中国語の方言について話してみます。(以下、旧ブログを修正したものです)
中国十大方言(闽、呉、客家、晋、湘、赣、粤、官、徽、平話)について
北京や東北を中心とするエリアが、北方言語で、ほぼ統一されているのに対して、南は、戦国時代のような、百花繚乱の様相を呈しています。
一説によれば、中国には、中国十大方言(闽、呉、客家、晋、湘、赣、粤、官、徽、平話)というのがあるそうですが、
ただ、これでも漢民族に限った話なので、雲南省など少数民族の言葉を含めると、これでは済まなくなります。
北方言語 普通話のベース
「北方」は、いわゆる、中国語の「普通話」のベースになっているもので、東北から北京、華北、四川まで、カバーしており、面積的には最大。人口的にも8億人以上もおり、他の方言を圧倒しています。中国語の普通話が、このエリアの言葉を標準としているのは、やはり致し方ないところはあるでしょう。
ただ、ひとまとめにはなっていますが、この地域の言語も一枚岩ではなく、「北京語」のように、バリバリのそり舌、アル化音使いまくりとか、「四川弁」のように「十」と「四」の音の区別がつかないとか、地域によってかなり差異があるようです。
あと、北部で唯一、北京語と系統が異なる方言と言われているのが「晋(jin4)」というもので、地域的には、山西省、陕西省、内モンゴルにまたがる地域をカバーしているます。声調が5~7、複雑な声調変化もあり、現代中国語とまったく異なる古代単語もあるようです。
南方言語 百花繚乱の様相を呈する
次に南方に目を移すと、7~8個の語族に分かれていて、戦国時代を思わせるような百花繚乱の様子を呈しています。このあたりになると、中国人同士でも、お互い、初見では聞き取り不能レベルであり、一応、方言とはいうものの、外国語に近い感覚と言えるでしょう。
また、一つ一つの語族が、北方に比べると小さく見えますが、全然、小さいなんてものではなく、それぞれ数千万人の人口をかかえ、それだけで一つの国家を作ってしまえるくらいの規模といえます。
最大勢力の「呉(wu2)」は、要するに「上海語」でしょうか。上海、蘇州、杭州、南京など、莫大な人口を有する都市エリアをカバーしています。ちなみに「呉」は古代漢字で、今の中国語では「吴」になります。
それに次ぐのは、「粤(yue4)」や「闽(min3)」の広東省、福建省あたりになりますが、このあたりについては、以下の記事を参照ください。
「湘(xiang1)」は、湖南省ですが、このあたりも非常になまっていて、彼らが、家族としゃべっている言葉は、全く、聞き取り不能なこともあります。
南方は北方と異なり、山が多いので、古来から、隣りの村に行くだけでも苦労を要したことは、想像に難くありません。それゆえ、言語が孤立して、お互いに意思疎通が不可能なベルにまでなってしまったのかもしれません。
まとめ
以上、中国という国は、これだけ意思疎通が不能な言語がいっぱいあって、さらに、少数民族なんかもいるわけであるから、分裂をしないほうが不思議に思えるくらいですね。
逆に言えば「普通話」と「漢字」の存在は非常に重要で、ほっておけば容易に分裂してしまう国家を、つなぐ道具としての機能を果たしているといえるかと思います。
こういうところは、ほっておいても、ワンワールドを形成できる、島国国家、日本とは、決定的に違うところですね。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません