イカを「炒」めると首になる?

2021年5月26日

「ゴマをする」「やきもちを焼く」

こういった言葉は、日本では慣用句と呼ばれていますが、中国にももちろんあります。

「ゴマをする」は、中国語で「拍马屁(pai1 ma3 pi4)」といい、文字通り訳すと「馬の尻をたたく」という意味です。これは辞書によれば、古代中国人同士が、出会うと、互いに相手の馬の尻(马屁)をたたいて(拍)ほめあう習慣があったからとのことです。

「やきもちを焼く」は、中国語で「吃醋(chi1 cu4)」(酢を食べる)と言います。醋(酢)は液体なので、吃(食べる)というのは変な感じですが、なんとなく感覚的にはわかるような気がします。甘いでもなく、苦いでもない、酸っぱい感じが近いということなのでしょう。

また、有名な言葉で「炒鱿鱼(chao3 you2 yu2)」(鱿鱼(イカ)を炒める)は聞いたことがあるでしょう。もちろんイカの炒め物、転じて「首にする(なる)」の慣用語です。

これは、出稼ぎ労働者が、会社を首になったときに、自分の布団をグルグルと巻く行為「卷铺盖(juan3 pu1 gai4)」がイカを炒めると丸くなるのに似ていることからきているということです。「卷铺盖」には、解雇される、夜逃げするという意味もあるようです。

まあ、イカの炒め物とか、食べ物を絡めてくるのが、やはり中国らしいというか、「首になる」より救いが有るというか。「首」というのは、身も蓋もない感じがします。実際、中国人は、転職することにあまり躊躇がありませんし、ポジティブです。

あと、「炒」という言葉には、「炒房(chao2 fang2)(不動産投機)」「炒股(chao2 gu3)(株式投機)」という言葉があるように、投機売買をするという意味があります。これは「炒飯(chao2 fan4)」を作るとき、中華鍋の中で、米をひっ繰り返す行為が、投機売買を繰り返す比喩になっているような感じでしょうか。

まさに、房子(fang2 zi/部屋)股票(gu3 piao4/株)を、投機的感覚で扱っている中国人の投資観というものを、ずばり表しています。まさに炒めるがごとく、売買しているというわけです。中国には公営賭博がないので、不動産、株式市場が、一定は、そういった役割を担っているのかもしれません。

株式で思い出すのは、自分が中国に来て間もない2007年頃、マンションの隣り部屋から、一日中、マージャンの音がしていたことがありました。自分が仕事から帰ってくると、もうマージャンの音がしており、夜中1時2時になっても、どんどん隣りの家に仲間が集まってきます。で、朝、起きると、まだ、隣りからマージャンの音がしており「この人たち、いったい、いつになったら働くのかな?」と思いつつ、出勤していましたが、2008年の暮れにもなると、ぴたっとその音はやみました。

今から考えると、あれがバブル「泡沫经济/pao4 mo4 jing1 ji4」だったんだなあという感じです。まあ、あれだけ株が上がれば、ばかばかしくてまともに働いてられないという気持ちはわからなくもありませんが・・・