中国語の発音のポイント【基礎編】 ~「母音」「子音」「四声」について

2021年5月17日

中国語はよく、発音が難しい言語だと言われます。

特に、日本人の場合、中国語は漢字なので、読めばわかりますが、いざ、耳で聞く段になると、さっぱり聞き取れないという人が続出します。日本人にとっては、中国語の音というのは、聞き取りにくいもののようです。

中国語の発音は、一般に「拼音(ピンイン)」と呼ばれる記号で表記されます。

「拼音」は、以下の三つの部分から成り立っています。

韵母(yun mu)・・「母音」のこと
声母(sheng mu)・「子音」のこと
声调(sheng diao)・「四声」とも呼ばれる

例えば「马(mǎ)」(うま)という語であれば、①韵母(母音)が「a」、②声母(子音)が「m」、③声調(四声)が「第3声」という具合です。

 

「母音」と「子音」は、日本語のローマ字と同じようなものですが、それにさらに「声調」の区別がつくということですね。

以下、この三つの部分に分けて説明します。

1 韵母(母音)  超大げさでちょうどいい

韵母(母音)は、単母音「a e i u o ü」と、それの組み合わせである複母音「ao ai ei」などがあります。

単母音

中国語の単母音は6つあります。日本語の発音とは違って、やや極端なくらい大げさに発音するくらいでちょうどいいと思います。

a」は、日本語のあより、もう少し大きめに。「u」は、日本語の「う」より、口を尖らせて突き出すような感じです。あと「e」の音は、少し特殊で、日本語の「え」とローマ字読みしないようにしてください。

なお、中国語では、単独で「i」と書かず、必ず「yi」と表記します。

複母音

複母音は、全部で13。短母音の組み合わせでつくります。

鼻母音

鼻母音は、全部で16。鼻母音という名前の通り、鼻にかかるような音が特徴です。最後「n」で終わるものと「ng」で終わるものがあり、日本人には、聞き分けにくい区別の一つです。

2 声母(子音)

声母(子音)は全部で21個あり、日本人にはなじみの薄い音が多く、日本人泣かせの音がたくさん出てきます。

発声の仕方によって、以下のようなグループに分けられます。

  • 両唇音「b p m 」唇歯音「f」
  • 舌尖音「d t n l」
  • 舌根音「g k h」
  • 舌面音「j q x」
  • そり舌音「zh ch sh r」
  • 舌歯音「z c s」
  • その他「y w」

グループごとに、口の形が同じなので、先ずはグループを意識することが大切です。(グループの名前は、別に重要ではありません。)

あと、ローマ字読みしないようにしてください。例えば「分(fen)」は、ローマ字読みに近いフェンですが、「風(feng)」はフォンに近い発音になります。まずはネイティブの音を真似ることが大切です。

両唇音「b p m」 唇歯音「f」

「両唇音」は、上下の唇を接触させるようにして発音します。「唇歯音」は、英語のfと同じでいいと思います。

舌尖音「d t n l」

舌先を上の歯茎に当てて発音します。

舌根音「g k h 」

これは、中国語独特で、日本人にとってはちょっと難しいです。その名の通り、舌の根元あたりで、息を詰めるようにしてだします。

舌面音「j q x」

舌の全面を、口蓋の上に当てて、発音します。日本語の「じ、ち、し」に近いです。

そり舌音「zh ch sh r」

北方独特の音で、日本人泣かせナンバーワンと言ってもいいでしょう。コツを掴むのに時間がかかるので、一度にマスターできなくても構いません。「j」と「zh」、「q」と「ch」、「x」と「sh」の違いを、実際の単語を例に使いながら練習したほうがいいでしょう。

舌歯音「z c s」

舌先を上の前歯の裏側に当てて発音します。

その他「y w」

有気音と無気音について

以上のようなグループに分けとは別に、子音には「有気音」と「無気音」という分け方もあります。

有気音」は、息を吐き出すようにして発音するもので、「p t k q ch c」などが該当します。

無気音」は、息を吐き出さず発音するもので、「b d g j zh z」などです。

「p」と「b」、「t」と「d」など、区別を意識するようにするといいでしょう。

ちなみに、中国語には、濁音はありません。厳密に言うと、「bo」は「ぼ」ではなく、「da」は「だ」ではないです。「b」「d」は、濁音ではなく、無気音となります。(最初はわかりにくいと思いますが)

3 声调(四声)   中国語の肝

俗に「中国語は四声に始まり四声に終わる。」と言われるほど、中国語は声調(四声)が大切であると言われます。母音、子音については、いくらか間違っていても通じますが、四声が間違っていると、全く通じないことが多いので、注意が必要です。

声調(sheng diao)」は、第一声から第四声までの4つあり、それゆえ「四声」とも呼ばれています。

表示方法は、母音の上に小さく声調記号をつけますが、それができないときは、「a1 a2 a3 a4」のように、後ろに、数字をつけたりまします。

第一声・・・ひたすら突き抜けるように高く発声します。日本人には、馴染みのない、強い響きがあります。
第二声・・・中程から少しトーンを上げて発音します。「あ–?」と人に聞き返すときの発声に似ています。
第三声・・・第二声に似ていますが、最初の入りから途中まで、低く伸ばします。
第四声・・「まあ、どうしたの?」の「まあ」。上から下へ下ろすように発音します。

では、これに「m」という子音をつけて「ma」にしてみましょう。

すると、第一声であれば「(お母さん)」、第二声なら「(麻烦の麻)」、第三声なら「(うま)」、第四声なら「(ののしる)」と、声調ごとに、意味が全く異なる単語ができます。

轻声

あと、四声の他、声調が無い音「轻声(qing sheng)」というものが存在します。(だから実際には、五声あるということになります。)

例えば、妈妈 (māma)の 前の「妈」は第一声ですが、後ろの「妈」は軽声になります。轻声は抑揚を全くつけずに、軽く発音をします。

xièxie zhuōzi mùtou māma bàba dìdi

谢谢(xièxie) 桌子(zhuōzi) 木头(mùtou) 妈妈(māma) 爸爸(bàba) 弟弟(dìdi)

中国語は四声に始まり、四声に終わる

中国語は四声に始まり、四声に終わる」という言葉がありますが、それだけ、四声を中心とする、中国語の発音は、非常に大事だということなんでしょう。日本人の場合、中国語を見て読む分は簡単ですが、こと聞いたり話したりとなると、全くできなくなる人も多いです。

発音練習は、単調であまり面白みの無いものですが、習いたてのうちに、ネイティブの講師について、繰り返し練習しておいたほうがいいでしょう。自己流の発音が、いったん脳や体にこびりついてしまうと、後で、矯正しようとしても、かえって時間がかかってしまうからです。

ただしやりすぎには注意してください。あせって、一度にマスターしようとする挙げ句、正しい発音ばかりが気になって、中国語を話すことに億劫になってしまっては、本末転倒です。

また、発音練習だけしていても、実際のプレーもせずに、素振りばかり繰り返しているスポーツ選手のようなものです。スポーツも語学も実践にでて、他人と相対してなんぼです。実際の場面で使って初めてわかることもありますので、何事も、気長にやるのも、必要です。