哪吒闹海(1979年) ~中国国産アニメ

以下の「哪吒闹海(né zha nào hǎi)」は、今から、40年以上前(1979年)に、上海で製作されたアニメですが、当時、既に、中国でこのようなアニメが作られていたというのは、かなり驚きです。


1979【哪吒闹海】(经典动画4K超清修复)Prince Nezha’s Triumph Against Dragon King(61分)

ストーリーは、勧善懲悪で、非常にわかりやすいので、中国語が聞き取れなくとも、見ればだいたいわかります。当時の日本アニメ等からも技術も取り入れているようで、画風など非常になじみやすいです。

ちなみに、ナジャ(哪吒)というのは、民間伝承の子供の神様で、一応、道教の神様という位置づけですが、仏教、ヒンドゥー教、西遊記、封神演義など色々な物語にも登場するようです。

ヒンドゥー教のシヴァ神あたりがルーツかもしれませんが、阿修羅も、このナジャが変化したものかもしれません。 ナタ (中国神話) – Wikipedia

哪吒闹海 あらすじ

プロローグ

昔、あるところ、四匹の龍が民たちに水害、風害、火災、雪害といった、ありとあらゆる災厄を起こしていた。

竜神たちの高笑いと同時に、突然、閃光がおこり、竜たちはちりじりに。
 

ナジャ誕生

その頃、李靖(リー・ジン)の家では、今か今かと、子供の誕生を待ちわびていた。

「生まれたか?」「生まれました。」
「でかした。で、男か、女か?」「そ、それが・・・・」

「うーーん、3年6ヶ月も待って、こんなものがでてくるとは。」
これはまさしく不吉な予兆に違いないと、刀で切りつけたところ

中からまばゆいばかりの光とともに、一寸法師のような男の子が・・・光の表現がなんとも言えず、すばらしい。

仙人降臨

そこへ何故か鶴に乗った仙人が舞い降りてくる。

李靖は、この不思議な出来事を仙人に相談すると、仙人は男の子を「ナジャ(哪吒)」と名づけ、さらにその仙術によって子供の体を大きくし、金の輪と赤いベールのようなものを授ける。ナジャは以後、それを操ることで特殊な能力を持つことになる。

雨乞い(9:30~)

一方、李靖の配下の村では日照り続きで、人民たちは、雨乞いの為に竜神にお供え物をしようと、橋のたもとから、食べ物を次々と投げ入れる。
しかし、海の下に住む竜神はそれでは納得せず、子供のいけにえを送るように要求する。

鹿にまたがり、仙人から授かった、紅いベールと金の輪で遊ぶナジャ。次第に、自分の持つ能力に目覚めていく。(新体操選手っぽい動き。

 

手下(ガマガエルの化身)を使って、子供を連れ去ろうとするが、ナジャが軽く追っ払う。この波は、完全に葛飾北斎ですね。

竜王の息子(17:30~)

ナジャがひとたび波を揺らすと、その波動は海の底の竜神の屋敷にまで達し、竜神たちをひどくいらつかせた。竜王はナジャを征伐するため、自分の息子(白龍)を地上に派遣する。

が、逆にナジャの前にあえなく屈してしまう。ナジャは、白龍から背骨?をとりだし

竜王との確執(22:00~)

変わり果てた息子の姿に、竜王はナジャの父親である李靖に抗議する。

 

李靖は「あの子はまだ子供だし、そんなことをするはずがないですよ。」と竜神をなだめたものの、思い当たる節もあり、ナジャを呼び寄せ「その鞭のようなものは、どこで手に入れたのか」と問いただす。

そばで立ち聞きしていた竜王は、事の真相を察知しナジャに切りかかるが、軽くかわされる。その後、ナジャは竜王の屋敷に潜入し、竜王を懲らしめ、子供たちの前で一旦は「二度とわるさはいたしません」と誓わせる。

子供たちの喝采を浴びる 一件落着に見えたが・・・・・

竜神たちの復讐(33:30~)

竜王を懲らしめ、得意の絶頂となって帰ってきたナジャに対し、父の李靖は激怒し「お前という奴は、なんと馬鹿なことをしてくれたのだ。そんな息子はしらん。」と、ナジャを柱にくくりつけてしまう。

一方、竜宮城に戻った竜王は、弟分の龍たちに事の次第を話すと、龍たちは、竜王の仇をうつべく、李靖の配下の村に、風、水、雪と、あらゆる災厄を与えはじめた。そして、李靖に対して、この災厄をやめるかわりとして、ナジャをさし出すよう要求する。

李靖は、竜神たちに、怒りを収めるように懇願するものの、竜神たちの怒りは収まりそうにない。この場を収めるためには、もはや息子を自分の手で、あやめるより他無しと覚悟を決め、剣をとるものの・・・非情に徹することができず

「情け容赦ない龍の攻撃」「水害の前に沈みゆく子供」「なす術もない李靖とその家臣」絶望的な状況とナジャの葛藤。

やがて意を決したかのごとく、髪をくわえ(ここ、いかにも歌舞伎っぽい。)

「シーフ!!」天の師匠に届けとばかり叫ぶ。金の輪と紅いベールをくわえた鹿が懸命に走ってくるが、時すでに遅し。

ナジャの脳裏に去来するイメージ。とそこへ、鶴が舞い降りて、ナジャの魂ともいうべき光り輝く小さい玉をもってかえる。

 

宴(44:45~)

竜宮城での宴。ナジャがいなくなったことを祝う、龍神たち。飲めや歌えやのシーン。

ナジャ復活(47:00~)

ナジャの生命は、鶴によって仙人のいる場所へと運ばれ、仙人の手によって復活する。

仙人は、ナジャに、新たに火炎輪と槍を与える。以前までにも増して、超人的能力を身に着けることに

ナジャがひとたび、槍を振り下ろせば大波が立ち、海の中もやすやすと入っていく。モーゼの十戒を思わせるような、水が二つに分かれる間を駆け抜けていくシーンは圧巻。


一路、海底にある竜神の屋敷へ。

ナジャ、再び(53:00~)

一方、ナジャを倒した竜神たちは、屋敷で飲めや歌えやの、どんちゃん騒ぎ。その最中に、復活したナジャが現れ、大混乱

文字通りの八面六臂の活躍で、竜神軍をきりきり舞いさせる。京劇をBGMとした戦闘シーンのリズム感がすばらしい。京劇の見得を切る所作も決まってます(魚群の表現が、手塚アニメっぽい?)

  

さらに、四匹の龍を相手に、阿修羅のごとき姿に変化。

四匹の龍との戦闘シーン。雪や火といった攻撃に対して、次々と難局を打破。高熱の球を爆発させるシーンでは、ナジャの機転が冴え渡る。

竜神たちを懲らしめるナジャ。

ラスト(59:15~)

村に平和が戻ります。

終了

中国文化

Posted by 老板