「电脑」「麦当劳」「可口可乐」 中国語の外来語表現アレコレ

2021年5月4日

「パソコン」「インストール」「スマートフォン」

これらの単語は、外来語と呼ばれるものですが、日本語が、外来語を取り入れる場合、結構、簡単です。日本語には、カタカナという、便利なツールが有るので、音をそのまま、置き換えるだけで、すんでしまいます。

では、中国語は、外来語を取り入れるとき、どうしているのでしょうか?

中国語には、そもそも日本語のかなに相当する言葉はありません。したがって、すべて、漢字を当てていくしか無いわけですが、大きく分けると、以下の3つの方法があります。

1 意訳

2 音訳

3 意訳と音訳の組み合わせ

以下、それぞれについて、みていきましょう。

意訳

まず「意訳」ですが、例えば、上記の単語「パソコン」「インストール」「スマートフォン」は、それぞれ「电脑」「安装」「智能手机」となりますが、全部、意訳です。

电脑(dian1 nao3)」は、電気の脳ということで、まあ説明不要ですね。「安装(an1 zhuang1)」は、もともとは、机とかを組み立てるときに使う単語ですが、それを転用しています。

智能手机(zhi4 neng2 shou3 ji1)」は、「智能(スマート)」と「手机(フォン)」の組み合わせですね。

他にも、「全球化」「黑馬」「売点」「白领」「偶像」「主题公园」「紅牛」など、意訳の例は枚挙に暇ありません。(意味は、それぞれ「グローバル化」「ダークホース」「セールスポイント」「ホワイトカラー」「アイドル」「テーマパーク」「レッドブル」)

2 音訳

2つ目は「音訳」です。

日本語のカタカナの処理方法と同様、漢字の音を原語に当てていくものです。欧米人の名前とか地名、ブランドのようなものは、意訳のしようがないので、音訳にならざるを得ないようです。

例えば、マクドナルドは「麦当劳(mai4 dang1 lao2)」ケンタッキーは「肯德基(ken1 de2 ji1)」と、マズマズの出来になってます。(ただ、どうして「肯德基」の最後のジーを鶏の「鸡(ji)」にしなかったのか不思議ですが。)

また、人名では「特朗普(te4 lang3 pu3)」「奥巴马(ao4 ba1 ma3)」「迈克杰克孙(mai ke jie ke sun/マイケルジャクソン)」などになっています。

いちいち、漢字を当てるのは大変そうですが、当て字で使う漢字というのは、ある程度は、決まっているようなところがあり、見た目ほどではないようです。

3 音訳と意訳の折衷タイプ

あと、音訳と意訳の組み合わせもあります。いわゆる、あわせ技ですね。

有名なものは、やはり「可口可乐(楽)(ke3 kou3 ke3 le4 /コカコーラ)」ですかね。

これは、音を当てつつも、さりげなく、口にあい(可口)、楽しい(可乐)という意味も刷り込んでいるので、名訳といわれています。ただ長いので、実際、使うときは、可乐だけで十分でしょう。

宝矿力水特/bao3 kuang4 li4 shui3 te4 /ポカリスエット)」も音訳と意訳のコラボで、音訳をベースに「水」や「矿」(ミネラル)といった意味も刷り込んでいますが、こちらは、名訳というか迷訳に近い感じですね。

しかし、いかんせん、コカコーラ以上に、発音するのが難しく、日本人泣かせの単語です。実際は「ポカリ」だけで十分でしょう。(ついでに、外来語とは関係ないですが、矿泉水(kuang4 quan1 shui3 /ミネラルウォーター)も日本人泣かせですね。口が引きつりそうになります。)

あと、折衷タイプとして有名なものに「迷你裙(mi2 ni2 qun1 /ミニスカート)」などもあります。「迷你」はminiですが、同時に「あなた(你)を惑わす(迷わす)」という意味を持っています。

 迷你可乐(ミニコーラ)も

日本人の名前は、原則、中国語で発音

日本人の名前は、大抵、漢字なので、そのまま中国語読みすればいいです。つまり、田中(ティエンジョン)とか山本(しゃんべん)とか漢字そのままで、中国語として読めばいいということです。自分の名前くらいは、中国語で、正確に発音できるようにしておきたいものです。

あと、ひらがな、カタカナが含まれる場合は、どう処理をするか?ですが、

例えば、宇多田ヒカル、初音ミクのような場合ですが、この場合、仕方ないので、宇多田ヒカルなら宇多田光、初音ミクなら初音未来と、類推的に漢字を当てているようです。誰がどうやって決めているのかは、知りませんが。

「表意文字」ならではのジレンマも

以上、中国語が外来語をどのように処理して、中国語化しているかについて語ってみました。

結構、苦労しているなーというのが、自分の印象ですね。

中国語の漢字は「表意文字」なので、音に徹するということは出来ないわけで、本質的にそういうジレンマを抱えているわけです。

その点、日本語は、カタカナがあるおかげで、外来語を、ほぼパーフェクトに、音に置き換えてしまえます。しかし、その反面、意味不明のカタカナ用語が、世の中に、大量に溢れかえってしまうという副作用?を引き起こしてしまいます。

使っている本人も、意味もわからず、何のことかわからずに使っているということが結構、多いんじゃないでしょうか。

(個人的には、「コンプライアンス」とか、なかなか慣れませんでしたし、あと「リスペクト」とかも使うのは抵抗あるというか。何でもカタカナにすりゃいいだろというのも、どうかなという気がします。)