中国のセンターテスト「高考(がおかお)」が行われました。

2021年6月11日

今年も、中国で「高考(gao1kao3)」が行われました。

高考」は、中国のセンターテストのことですが、中国は秋入学なので、毎年、夏休み前の六月に行われます。また、受検者数も、中国全土で1000万人近くと桁違いです。

日本のように大学が独自でテストを実施しないので、このテストの点数によって、大学や学部が振り分けられてしまいます。要するに一発勝負ですが、これ一回で人生が決まってしまうので「一考定終生(yi4 kao3 ding4 zhong1 sheng1)」という言葉もあるようです。

メディアでも、連日「高考」に関するニュースが報道されます。試験当日、受験票を忘れ警察に頼んで家まで取りにいってもらった話とか、替え玉受験(替身)やカンニング事件(作幣)など、ニュースに事欠かないようです。

 高考後の記念撮影

 

ちなみに、第一志望の大学に点数が満たない場合は、第二志望の大学に入学するか、大学入学を断念するか、復読(浪人)するかを、選ぶことになります。中国にも、浪人はあるようですが、日本のように一浪、二浪ではなく、一浪は「高四」(gao1 si4)つまり「高校四年生」と呼ぶのだそうです。

ただ、浪人しても、予備校のようなものがないので、復読生として、もとの学校の高校三年生に混じって、勉強しなくてはならないそうです。浪人と言うよりは、むしろ留年に近い感じですね。

ちなみに、自分の知り合いの中国人で、大学時代に日本語を専攻していた人は多いですが、その理由の一つとして意外に多いのが「最初、英語学科を希望していたが、高考の点数が足りなかったので、日本語学科に振り分けられた」というものです。

要するに、最初は仕方なしに日本語を勉強し始めたらしいのですが、やってみると意外に面白く、日本語を学んでよかったという意見が多いです。

 

中国の学生というのは、小学校の頃から、ガリガリベンベンさせられるようで、宿題の量が半端なく多く、毎晩、親がかりで終わらせるのだそうです。また勉強以外にも、ピアノ、習字、楽器などお習い事も盛んで、いったい、いつ子供らしく遊ぶのだという感じらしいです。

本人のためとはいえ、ちょっと可愛そうな気がしますね。

 「高考(ガオカオ)」

後日記

ちなみに、今回の「高考」は、広東省でのコロナ感染の拡大と重なった為、実施が大変だったようです。

広州の会場では、受験生全体の5万人のうち、コロナ感染者が出た該当社区の800名については一箇所に集中的に集められ、管理されていたようです。

生徒と職員全員にはPCR検査二回実施の上、試験会場には防護服の運転手がタクシーで送り迎え、とものものしい様子が伝わってきます。(以下、香港のTVBニュースの報道です。)

特に陽性の二人の生徒については、病室を改造した個室で、モニターでの監視つきで受験。