日本人が語学が苦手な4つの理由 ~日本人は本当に語学音痴なのか?

日本人は、語学が苦手ということは、自他共にみとめるところかもしれません。

国際化といっている割には、英語や中国語がペラペラになったというわけでもないし。トーイックの点数だって、国際的に低いほうだと聞いたことがあります。

一方、中国人なんかみると、日本に一度も行ったこともないのに、ペラペラ日本語をしゃべっている人が、いっぱいいたりして、この差は一体、何なんだろうか?と思ってしまいます。

以下、なぜ日本人は語学が苦手なのか? 本当に語学音痴なのか?ということについて、ちょっと考えてみたいと思います。

日本人が語学が苦手な4つの理由 ~日本人は本当に語学音痴なのか?

1 モチベーションが無い(積極的理由がない)

語学の勉強のエンジンというのは、突き詰めていってしまえば、モチベーションに尽きると思っています。

例えば、中国人の日本語学習者が、なぜ、日本語ペラペラになってしまえるか?ということですが、それは、日本語勉強したら給与が何割かアップするとか、アニメを日本語でわかりたいとか、あるいは少数ですが彼(彼女)が日本人というような人もいます。

結局のところ、お金や愛情というものが、根底にあるわけですが、そういう、お金とか愛とか俗っぽい理由のほうが、人間の根源的欲求に基づいているので、モチベーション的に強いのだと思います。

そういう意味で日本人というのは、別に、中国語を学んだところで、給料が上がるわけでもなく(ファーウェイとか一部例外もありますが)、普通の人は、中国語のドラマやニュースをみたりもしないでしょうし、積極的に語学を学ぶインセンティブがないといえます。

2 できなくとも困らない(消極的理由もない)

また、できなくとも困らないということもあります。

日本という国にいる限り、別に外国語を勉強しなくとも、何とかなってしまうからです。逆に言えば、それだけ、恵まれているというべきでしょうか。

日本というのは、自国のマーケットがソコソコに大きいので、自分の国だけで自活してやっていけます。なので、学ばざるを得ないような状況にもない(消極的理由もない)ということです。

これが、お隣の韓国ぐらいの大きさになると、自国のマーケットだけではどうにもならないので、どんどん、外国のマーケットを開拓していかなければ、ならなくなります。

中国の語学留学生やHSKの試験会場に韓国人が多いのは理由があるのです。

3 内向きの国民性(島国根性)

あと、日本人自身の性格的な部分もあります。

やはり四方を海で囲まれた島国ということもあってか、内向きの国民性ということはあると思います。

語学というのは、やはり、他人とコミュニケーションをとることで身についていくという面は否めませんので、そういう面では内向きで、完全主義の傾向にあると、語学習得には不利に働く面はあるかもしれません。

4 言語学的な問題  日本は、ウラルアルタイ語族

あと、日本人が、外国語が苦手というのは、言語構造にも理由があります。日本語は、英語や中国語とは、そもそも語族が違うのです。

例えば、日本語が属するという説があるウラルアルタイ語族と、中国語が属する、シナチベット語族とは、言語学的には、かなり違う言語なのだそうです。

まず、日本語が「膠着語」に対して、中国語は「独立語」で、助詞や助動詞がありません。また、日本語は、語順がSOVだが、中国語はSVOというように、あげればいくらでも違いがあります。

両方とも、漢字を使っているから、意味は取れるわけですが、言語学的には、かなり違う構造の言語なのです。

 

ちなみに、日本語が属しているウラルアルタイ語族の分布図ですが、朝鮮、モンゴル、中央アジアからトルコにかけて広く分布しています。

ちなみに、韓国語は、かなり日本語に近いというのは周知の事実ですし、モンゴル語も、日本語の構造に似ているところがあるのかもしれません。モンゴルのお相撲さんが、日本語がうまいのは、そのせいもあると思います。

あと、個人的な印象ですが、中国語と同様に、シナチベット語族のタイ語、ベトナム語などのインドシナ半島の言葉は、総じて、日本人には難しいです。あのあたりの発音は、中国語のような声調があり、音の高低で、言葉の意味を区別するので、日本人には難しいです。

逆に、マレーシア語、インドネシア語は、日本人には、割と易しいと思います。随分前、インドネシアに行きましたが、現地在住の方は、だいたい二、三ヶ月で、インドネシア語をマスターしてしまう人もいるようでした。少しかじった程度ですが、たしかに、発音しやすいです。

状況は変わりつつ有る

以上、日本人が語学が苦手な理由4つでした。

つまり、何が言いたいのかといえば、日本人が、英語とか、中国語など苦手なのは、ある意味、当たり前なのだということです。

だからといって、それを言い訳にして、日本人が語学をやらなくともいいと言っているわけではありません。そうではなく、日本人の置かれている立ち位置をふまえつつ、語学を学んだほうがいいですよといいたいのです。

日本人は、一般的には、語学音痴と思われがちですが、本質的に語学が苦手なわけではなく、そういう立ち位置に置かれているだけという面が大きいと思っています。

ただ、近年、日本をとりまく状況も変わってきています。

現在のように、日本がどんどんと貧困化してくると、若者を中心として、日本国内に縛られずに、生きていかざるを得ない状況も出てくるかもしれません。

その時に、語学ができるとできないでは、やはり、行動の自由度が随分と違ってくるのではないでしょうか。

結果的に、日本で過ごすことになったとしても、いざというときに、いつでも日本を飛び出せるように、一つくらい語学をできるようにしておくのも、これからの時代、必要になるかもしれません。

学習方法

Posted by 老板