中国歳時記 中国の主な祝日について

中国は、日常生活は日本と同様、西暦(西历/xī lì)によって動いています。ただ、旧暦(农历/nóng lì)も併用しており、祝日は旧暦をベースとしていることが多いです。

旧暦のお休みは、当然ながら、毎年、日程が変わります。例えば、「春节」は旧暦の一月一日ですが、毎年、1月後半から2月後半までと、年によってズレがあります。なので、カレンダーは日本にいるとき以上に重要です。

以下、中国の祝日について、ちょっと紹介してみます。

中国歳時記 中国の主な祝日について

中国の国務院が、毎年、規定している「法定休日」は以下の通りとなっています。(旧暦は漢数字、西暦は算用数字)

名称 拼音 日期 西暦/旧暦 法定休日
元旦 yuán dàn 1月1日 西暦  1月1日のみ
春节 chūn jié 一月一日 旧暦  七連休
清明节 qīnɡ mínɡ jié 4月5日ごろ 旧暦 三連休
劳动节 láo dòng jié  5月1日 西暦 5月1日のみ
端午节 duān wǔ jié 五月五日 旧暦 三連休
中秋节 zhōng qiū jié 八月十五日 旧暦 三連休
国庆节 ɡuó qìnɡ jié 10月1日 西暦 七連休

法定休日は、全部で7つありますが、最重要イベントは、なんといっても「春节(春節)」の七連休で、別格といってもいいかもしれません。

次が、中国の建国記念日にあたる「国庆节(国慶節)」で、同じく七連休。

その次が、「清明节」「端午节」「中秋节」の3つの三連休で、いずれも旧暦の祝日で、この三連休と有休を組み合わせて、小旅行に出かけるというのがパターンとなっています。

あと「元旦」「劳动节」ですが、西暦のイベントということもあり、中国では、あまり重要とはいえないようです。

日本の祝日に比べると、種類は少ない感じがしますが、これでも多くなったほうで、以前は「元旦、春节、劳动节、国庆节」しかなく、あまりに休みが集中しすぎるということで、ゴールデンウィーク(黄金周)で七連休であった「劳动节」を格下げし、代わりに「清明节」「端午节」「中秋节」を三連休にして、分散型の休日体系にしたという経緯があります。

中国の休みは集中しているため、民族の大移動となってしまう傾向にあるので、大型連休中に中国国内を移動するのは避けたほうが無難でしょう。

以下、休日について、具体的にみていきます。

元旦

1月1日は、元旦(yuán dàn)で、一応、法定休日となっています。

ただ、中国人にとっての正月は、あくまでも旧正月なので、元旦は、単なる通過点と言う感じです。 日本のような、年末年始の連休はなく、年末感も希薄で、クリスマスの飾り付けが、そのまま残存していたりします。

春节(旧正月) 中華民族大移動

春节(chūn jié/旧正月/チャイニーズニューイヤー)は、旧暦の一月一日で、中国本土のみならず、香港、台湾、海外華僑など、中華圏にとって、最も重要な節句です。毎年、1月後半から2月後半までと、年によってズレがあります。

大晦日(除夕(chú xī ))から、七日間が法定休日となりますが、ここで有休との合せ技で、10日間から二週間くらい休む人もいます。なかには一ヶ月以上、里帰りする強者もいたりします。 この時期は、皆が故郷に帰るので、さながら中華民族の大移動の様相を呈します。

春節期間中は、お店もほとんど開いていないので、中国にいても何もすることがなく、暇を持て余してしまうので、日本に帰ったほうが無難かもしれません。ただ、日本に帰るチケットも、この時期、通常の2倍以上に跳ね上がったりします。

中国の旧正月「春節」について

清明节  お墓参りの日

清明节(qīnɡ mínɡ jié)は、日本でいうところの、お彼岸にあたります。一家そろって先祖の墓参りに行く他、紙のお金纸币/zhi3 bi4)を燃やす習慣があるようです。死者が冥土に行っても、お金に困らないようにということですが、いかにも中国的ですね。

時期は、毎年だいたい西暦の4月5日前後。旧暦の二十四節気というものによって決まるらしいです。

「清明節」 中国のお彼岸、リベンジ帰郷現象も

劳动节

劳动节(láo dòng jié/ 5月1日)は、メーデーで一日だけお休みとなってます。

端午节  粽を食べる日

端午节(duān wǔ jié)は、旧暦(農暦)の五月五日のことで、端午節の前後三日間は、法定休日となっています。

端午の節句といえば、なんと言っても、粽子(じょんず)でしょうか。要するにちまきのことですが、中国の粽は、中のあんがいろいろあって、バラエティに富んでいます。 また「ドラゴンボートフェスティバル」という、イベントも、各地で行われます。

「端午節」 粽子(ちまき)とドラゴンボート

中秋节  満月が最も輝く夜

中秋节(zhōng qiū jié)は、毎年、旧暦 の八月十五日、満月の夜に、家族で、月を鑑賞し、一家団らんのひと時を過ごすという習慣です。

中秋节に欠かせないアイテムが、月餅(ムーンケーキ)。あんの中央に満月を思わせる黄身が入っているのが特徴で、独特の食感があります。 

中秋節と月餅 ~旧暦が今も生きずく中国

国庆节  中国の建国記念日

国庆节(ɡuó qìnɡ jié)は、中国の建国記念日のことで、新暦の10月1日から七連休となります。

この時期、中国国内は、どこの行楽地に行っても、殺人的な込み具合であるので、この時期に中国国内の観光地へ行くのは、できれば、さけたいところです。

中国のその他の祝日

上の法定休日の他にも、中国には、いろいろな祝日があります。

元宵节

伝統節句としては、お団子やランタンフェスティバルなどで知られる「元宵节(yuán xiāo jié)」などが有名です。(旧暦の正月十五日)

元宵節には、汤圆(tānɡ yuán)(写真)と呼ばれる団子を食べる習慣があります。「湯圓」の「圓(yuan)」と「家族団らん」を表す「团圆(tuán yuán)」をかけて、一家円満を願って家族揃って食べられるのが慣わしとのことです。

「元宵節」  湯圓、獅子舞、ランタンフェスティバル

それ以外では、家族を重視する中国では、「儿童节」(子供の日)、「母亲节」(母の日)なども、結構、祝われていたりします。

一方、西洋の休日、クリスマス(圣诞节)、バレンタイン(情人节)、ハロウィン(万聖节)などは、あるにはありますが、休日ではなく、旧暦の節句よりは、盛り上がりに欠ける感は否めないでしょう。(たぶん、日本より盛り上がっていない気がする。)

あと、変わったところでは、11月11日(西暦)でしょうか。かつては、一が並ぶところから「独身の日」(光棍节/guang1 gun4 jie2)と言われてましたが、現在は双十一(shuang1 shi2 yi1)」として、爆買いセールの日として、すっかり有名になっています。

以下、中国の祝日、記念日について、一覧にしてみました。

祝日(中国語) 祝日(日本語) 日期 その他
元旦 元旦 1月1日 西暦  
春节 旧正月 正月初一 旧暦 法定祝日
元宵节 元宵節 正月十五 旧暦 伝統祝日
情人节 バレンタイン 2月14日 西暦  
国际妇女节 国際婦人デー 3月8日 西暦  
植树节 植樹節 3月12日 西暦  
国际消费者权益日 消費者権益の日 3月15日 西暦  
愚人节 エイプリルフール 4月1日 西暦  
地球日 地球の日 4月22日 西暦  
清明节 清明節 4月5日ごろ 旧暦 法定祝日
国际劳动节 労働記念日 5月1日 西暦 法定祝日
青年节 青年の日 5月4日 西暦  
母亲节 母の日 5月第2日曜 西暦  
国际儿童节 こどもの日 6月1日 西暦  
父亲节 父の日 6月第3日曜 西暦  
端午节 端午節 五月五日 旧暦 法定祝日
建党节 建党記念日 7月1日 西暦 記念日
香港回归纪念日 香港返還記念日 7月1日 西暦 記念日
火把节 火祭り 六月二十四日 旧暦 少数民族の祝日
建军节 人民解放軍記念日 8月1日 西暦 記念日
七夕情人节 七夕 七月初七 旧暦 伝統祝日
教师节 教師の日 9月10日 西暦  
“九•一八事变纪念日 9.18事変記念日 9月18日 西暦 記念日
中秋节 中秋節 八月十五 旧暦 法定祝日
国庆节 建国記念日 10月1日 西暦 法定祝日
重阳节 重陽節 九月初九 旧暦 伝統祝日
万圣节 ハロウィーン 10月31日 西暦  
感恩节 感謝祭 11月の第4木曜 西暦  
澳门回归纪念日 マカオ返還記念日 12月20日 西暦 記念日
平安夜 クリスマス・イブ 12月24日 西暦  
圣诞节 クリスマス 12月25日 西暦  
除夕 大晦日 12月31日 西暦  

 

節句

Posted by 老板