中秋節と月餅 ~旧暦が今も生きずく中国
中秋節(zhong1qiu1jie2)は、旧暦の8月15日、満月の夜に月を鑑賞し、一家団欒する習慣です。日本にも、お盆がありますが、それよりももっと、中国人の生活に根付いている感じがします。
今年は、コロナの影響もあって、あまり中秋節という雰囲気はないですが、それでも、中国人から「中秋節快楽!」というメールは届いたりします。
ちなみに、中国の節句は、大体において、テーマが家族団欒になっていることが多いですが、家族のいない人間にとっては、ちょっと困りますね・・・
まあ、それはともかく、中秋節といえば、月餅(yue4 bing3/ムーンケーキ)は欠かせないところでしょう。
以下、中秋節と月餅について、ちょっと紹介してみます。(以下、旧ブログを修正したものです)
中秋節 旧暦が今も生きずく中国
中秋節とは、毎年旧暦の8月15日の満月の夜に、月を鑑賞しながら一家団らんのひと時を過ごすという中華圏の習慣です。中国本土をはじめ、香港、マカオ、シンガポール、その他海外の華僑社会で、ひとしく祝われます。
同じく旧暦の節句である春節、元宵節、端午節とならぶ「中国の四大伝統祭り」と呼ばれているらしいですが、自分の感覚では、重要度では、春節に次いで重要な位置にある気がします。ちなみに、中秋節は国家の三連休にもなっています。
中秋節の夜、毎年、空を見上げますが、月は、確かに真ん丸です。まあ、旧暦自体が、月の満ち欠けにあわせて作られているので、当たり前といえば当たり前ですが、それでも「暦」というのは、やはりすごいなと感心してしまいます。
今でこそ、ふだん夜空を見上げることは皆無ですが、昔は、月明かりが果たしていた役割というのは、非常に大きかったのでしょう。なので、月の満ち欠けによって暦を刻むということは、当時の感覚としては普通だったのでしょうね。
そういう意味では、中国の節句というのは、旧暦に裏打ちされている分、重みがあります。一方、日本は、明治維新の際、近代化とともに、この旧暦を表舞台から廃止して、西暦に統一してしまったが、少し残念なところではありますね。
月餅 中秋節に欠かせないアイテム
中秋節に欠かせないアイテムが、月餅(yue4 bing3/ムーンケーキ)です。
月餅というのは、羊羹にも似た中国独特の菓子で、小豆や椰子、蓮の実などの入った練り物の真ん中に、満月よろしく黄身が入っているのが一般的です。
中国の節句は、元宵節なら汤圆、端午節なら粽(ちまき)といった具合に、常に食い物アイテムが用意されていて、いかにも食べることが好きな中国人らしいところですが、個人的には月餅はそんなに、美味しいと感じたことはありません。また、当の中国人も、それほど好き好んで食べているように見えないです。それに月餅は添加物や防腐剤がたくさん入っているものもあるので、あまり食べないほうが無難でしょう。
あと、月餅は、団子やちまきと違って、日頃お世話になっている人に配るとか、贈答用の側面が強いです。そのため、中身よりも、いかに見てくれがいいかを競うパッケージ合戦のようになっています。そのあたりは、いわゆる中国人の面子とも関係しているのかもしれませんね。
月餅商戦
月餅は、だいたい、1-2ヶ月前から、販売が始まります。スーパーでは、目立つところに、月餅の特設コーナーが設けられ、「美心(maxim)」「栄華(wingwa)」など香港の有名ブランドをはじめ、各メーカーの色とりどりのパッケージが陳列されています。
値段は、四個入りで、だいたい200元(4000円)くらいからあります。(写真:ウォルマート(沃尔玛)の月餅売り場)
またスーパーだけではなく、スタバ(星巴克)やハーゲンダッツ(哈根达斯)、またレストラン、ホテルなど、様々な団体が売り出しており、お手軽なサイドビジネスになっているようです。
月餅は利益率が高いので、いったん、ブランドとして認知されると、結構、美味しいビジネスなのかもしれません。そのためか、年中、広告をうっているブランドもあります。
ちなみに、贈答用として月餅を検討するのもいいでしょうが、この時期、どこの会社も月餅を貰い飽きているので、別のもの、例えばお酒など送るのもありかもしれません。
月餅 いろいろ
冰皮(ビンピー)
冷蔵庫の中に入っています。
ミニ月餅
一個10元~20元、あるいはグラム売り。
自分で食べる用ですかね。
スタバ月餅
スターバックス(星巴克)の店頭で販売中。チョコレート味だの抹茶味だの、自由度もましているようです。
ハーゲンダッツ月餅
ハーゲンダッツ(哈根达斯)のアイスクリーム月餅(冰淇淋月饼)
お値段の方は、300-800元(6000-16000円)とかなり高い。
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