「簡体字」と「繁体字」 特徴と違いについて
中国語には、簡体字と繁体字という、2種類の漢字があります。
一般的に中国語といえば、普通話のことを指しますが、この普通話で使われているのが、簡体字(jian3 ti3 zi4)です。
簡体字は、1950年代に中国で人工的に作られたもので、「東」なら「东」、「車」なら「车」というように、日本の漢字を少し崩した自体が特徴です。現在、中国大陸ではもちろん、シンガポール、マレーシアなどでも使われています。
もうひとつは、繁体字(fan2 ti3 zi4)です。これは、古代中国漢字の流れをくむもので、「広」を「廣」、「体」を「體」みたいに、やたらと画数が多いのが特徴です。こちらは現在、香港、台湾などで使われてます。
特徴 | 由来 | 使用国 | |
簡体字 | 画数が少なく、書くのが容易 | 中国で人工的に作られたもの | 中国本土、シンガポール、等 |
繁体字 | 画数が多く、絵的なイメージとして捉えやすい | 古代中国の漢字の流れをくむ | 香港、台湾、等 |
簡体字と繁体字 具体例
では、実際、簡体字と繁体字の違いについて、ちょっと例を上げてみましょう。
以下の写真は、街路脇の交通標識で、同じ漢字ですが、左が簡体字、右が繁体字になっています。簡体字「让(rang4)」は、繁体字だと日本の漢字「譲」をさらに難しくしたような漢字になっています。
ちなみに、上の簡体字は中国大陸(深セン)で、下の繁体字のものは、香港で撮影したものです。
もう一つ、例を上げましょう。
写真は、二つとも、HSBC(香港上海銀行)の看板ですが、左の「汇丰」は簡体字、右は繁体字で、それぞれ中国、香港で撮影したものです。二文字とも違っていて、かなり違う雰囲気になっています。
それにしても、繁体字は凄まじい画数ですね。実際に書く段になると大変そうですが、近年は、パソコンやスマホ入力が主になっているので、実際に書くという機会は減ったかもしれません。
それでも、香港のローカル校では、小学校低学年から、繁体字の書き取りをやらせているということですから、凄まじいなと思います。
簡体字と繁体字 対照表
以下、ごくごく一部ですが、同一の漢字を、「簡体字」「日本の漢字」「繁体字」の順に並べてみました。
「3つとも自体が異なるパターン」と、「日本の漢字が簡体字または繁体字と同じというパターン」、「3つとも同じパターン(数字とか)」に分かれるようです。日本の漢字は、簡体字と繁体字の中間ぐらいといった印象でしょうか。
簡体字 | 日本の漢字 | 繁体字 |
让 | 譲 | 讓 |
丰 | 豊 | 豐 |
广 | 広 | 廣 |
变 | 変 | 變 |
体 | 体 | 體 |
车 | 車 | 車 |
爱 | 愛 | 愛 |
三 | 三 | 三 |
ちなみに、これらの漢字は、よほど形に差がない限りは、中国本土人であれ香港人であれ、簡体字と繁体字、両方、読むことはできるようです。
日本人でも、よほど難しい漢字以外は、簡体字であれ繁体字であれ、類推できるはずです。そこが、漢字文化圏の利点といえます。
簡体字⇔繁体字 ネットで変換
以下のようなサイトを使えば、簡体字から繁体字、繁体字から簡体字へと相互に変換ができるようです。
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