「紅色娘子軍」 ~毛沢東も愛した革命劇
以下の「紅色娘子軍(hónɡsè niánɡzǐjūn)」は、文化大革命時代に上演を許されてていた8作の共産主義模範舞劇(ミュージカル)のひとつで
「海南島で中国国民党につながる反動地主の横暴に対して立ち上がった女性農民が、紅色娘子軍を組織して反動地主を打倒する姿を描いた。」という、典型的な勧善懲悪劇です。
かなり、前時代がかった革命劇ですが、エンタメ要素がかなり強く、今見ても、かなり斬新で、おもしろいです。
ちなみに、この戯曲は、1960年代に周恩来総理の下に、創作、上演されたもののようで、あの毛沢東もお気に入りの演目だったとか。国際交流の一環として、海外の国家元首や政府首脳を歓待する演目としても演じられたようです。(日本の松山バレエ団もこの劇を演じているようです。)
紅色娘子軍は、ドラマとか、舞台とか、いろいろなバージョンが有るみたいですが、以下は、ミュージカル(1970年製作)なので、見てるだけでも大体わかります。
Wu Tang Collection – The Red Detachment of Women (1時間41分)
なにぶん、大昔の演目なので、クリアではないのが残念ですが、しょうがないです。全部見るというよりは、適当にパラパラを見るのがいいと思います。
紅色娘子軍・あらすじ
以下、各場面ごとに、簡単にまとめてみました。
第一場
悪徳地主、南霸天(nán bà tiān)に囚われの身となっていた琼花(qiónɡ huā)は、紅軍娘子軍の代表、洪常青(hóng cháng qīng)に救い出され、ともに戦うことを誓う。
第二場(21分~)
紅色娘子軍の大会にあらわれた琼花は、皆から歓迎を受ける。琼花は「打倒南覇天」の標語を見て、入隊を決意する。
バレーダンサーによる群舞が圧巻。中でも、洪常青を演じる主演男性(京劇の役者さんかな?)の動きの切れが、神としかいいようがない。
第三場(35分~)
悪徳地主、南霸天の屋敷の晩餐会。自ら、豪商を装い潜入する洪常青は、娘子軍と示し合わせて、一気に、南覇天を壊滅する作戦であった。
しかし、琼花は個人的な感情に任せて、南を銃で撃ってしまい、南を逃してしまい当初の計画が狂ってしまう。
第四場(55分~)
共産党思想の講義、「只有解放全人類、才能最後解放無産階級自己(全人類を解放してこそはじめて、無産階級の自己を開放できる。)」というスローガン。共産主義の教義とクラシックバレー?の取り合わせがなんともいえない雰囲気を出している。
覚醒する琼花
自己反省する琼花に対して、洪常青と副官は、陰ながらそっと見守っている。「そっとしておいてやろう」「今は時間が必要だ。」
自己反省中の琼花
突如、覚醒。踊る琼花
二人同時攻撃
「副官殿、やったであります!」「おいおい君たち、ほどほどにしてくれたまえよ。」
南洋の風景 コミカルなシーン
第五場(1時間11分~)
戦闘シーンが主体。この構図は、革命劇には欠かせません。膝を使ってくるくるとコマのように回る団員たち。
「同志よ、あまり無茶しては駄目です」
戦闘、とどめを差す琼花。決めのポーズも決まってます。
雷が落ちて仁王立ちの洪常青、シュールすぎ
過場(1時間23分~)
主力部隊は、南霸天の隠れ家に進軍します。群舞。すり足歩行。このテンション、すごすぎます。
第六場(1時間25分~)
南霸天は、洪常青に対して、娘子軍の退去を命令するも拒否される。洪常青は、火あぶりの刑にされる。
娘子軍は南覇天を倒し、村を解放。ついに南覇天を追いつめた琼花。
洪常青を失ったことを知って、琼花たちは深い悲しみに。隊長どのに、黙祷。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません