中国語のテスト「HSK」の概要と申込み手順について
中国語の学習がすすんでくると、「自分って、実際、どのくらいの実力なのかな?」と、自分のレベルを知りたくなってくる人も多いのではないでしょうか。そんなときは、中国語の検定試験を受けてみるのもいいと思います。
なかでも「HSK」は、中国が主催する公式の中国語検定試験で、全世界で実施されています。英語で言えば、TOEICに近い感じになるでしょうか。(「HSK」は「汉语水平考試」(hanyu shuiping kaoshi)の略称)
以下、HSKの概要と申込方法について、ご紹介してみたいと思います。なお、最新の実施状況については、必ず、各サイトで確認をしてください。 HSK(日本) HSK(中国)
HSKとは? 概要
レベル
HSKのレベルは、以下の通りです。レベル1級から6級までの6段階に分かれていましたが、最近、7-9級が新しく加わりました(年2回実施)
ただ、従来の1-6級に関しては、当面の間(3-5年くらい)は、試験内容、日程については変更はないとのことです。
ちなみに、1-4級は60%の得点で合格、5級と6級は、現在、合否の判定はしていませんが、今後、変わっていく可能性があります。(語彙数は、あくまで目安です。)
等級 | レベル | 試験の程度 | 語彙数 |
---|---|---|---|
1級 | 入門 | 簡単なあいさつをしたり、最低限のコミュニケーションができる。 | 150語 |
2級 | 初級 | 日常生活において、中国人とごく簡単な会話を行うことができる。 | 300語 |
3級 | 初級~中級 | 日常生活全般において、基本的なコミュニケーションがとれる。(大学の教養課程終了レベルに相当。) | 600語 |
4級 | 中級 | 日常生活で、広範囲の話題について会話ができ、比較的流暢にコミュニケーションをとることができる。中国のTV番組など字幕つきで理解できる。 | 1200語 |
5級 | 中級~上級 | 中国語のテレビやドラマを鑑賞することができ、ローカルとかなりこみいった内容の話ができる。会社内部の中国語での会議などにも参加できる。 | 2500語 |
6級 | 上級 | 中国の時事ニュースなど、中国語情報を理解でき、自分の見解を表現できる。ビジネスシーンでも、対外的な商談などで、中国語で対応できる。 | 5000語以上 |
7-9級 |
以下のサイトについても、ご参照ください。
内容
試験は、「リスニング(听力)」「読解(阅读)」「作文(书写)」の三つのパートにわかれています。(1-2級では作文は省略)
ちなみに、テストでは、設問等は、すべて中国語で行われますので、あらかじめ、形式に慣れておいたほうがいいでしょう。
リスニング(听力)
まず、最初は、リスニング(听力/tingli)が、結構、早くて、聞き取れない単語もでてくるとは思います。
しかし、全部、聞き取る必要はなく、キーワードをしっかりと聞き漏らさず、全体的に、何がいいたいのかがわかれば、答えられるようにはなっていますので、一つ一つの単語がわからなくとも、気にする必要はありません。
なお、3級までは、設問を2回読んでくれますが、4級以上になると1回しか読まないので、いかに、要旨を素早くつかめるかも重要です。
また、いかにもHSKが好きな話題があるので、模擬テストで、傾向に慣れておくとよいと思います。(笑話も、多いです。)
読解(阅读)
読解は、日本人の場合は、割と得意だと思います。4級までは、普通に、テキストをやっていれば、難なく解けると思います。
ただ、5級以上になると、文章量が半端なく多いので、まともに解いていると、時間が足りないということになりかねません。ただ、これも、全部、読み取れる必要はなく、個々の単語でわからないものがでても気にする必要はなく、キーワードさえわかれば、本文中にその該当箇所を探せば、答えが出るというものが多いです。また、設問的にも、そんなにひねりはありません。
題材は、自然科学や文学、歴史、人物伝など多岐にわたっています。HSKが好む文章の方向性というのがあるので、傾向に慣れておくといいでしょう。
「成龙(ジャッキーチェン)」とか、「周杰论(ジェイ・チョウ)」など、実在の人物名などもでてくることもあります。
作文(书写)
作文と言っても、4級までは、単に、単語を並べ替えるレベルなので、基本的な語法を押さえていれば、特に対策は必要ないでしょう。
5級以上になると、中国語で文章を書く作業が入りますので、形式に慣れておく必要があります。その際、自分の書いたものを、ネイティブに添削してもらうといいと思います。
※ 口頭試験については、HSKとは別に、口頭試験(HSKK)があります。
HSK 申込みの手順(中国のHSKサイト)
では、実際に、申込みをしてみましょう。今回は、中国でHSKを受験する場合を想定して、中国側のHSKサイトから申込みをしてみます。(日本でHSKを受検する方は、日本のHSKサイトをご参照ください。)
中国側のサイトは、日本側に比べて、随分、そっけない印象です。ただ、日本語の切り替えることもできるようになりましたので、これでも以前よりは、使い勝手は良くなったと思います。
中国語を学び始めて間もない方など、申込みに不安のある人は、知り合いの中国人に頼むとか、したほうがいいでしょう。
1 ユーザー登録(注册)
初めての人は、まず、登録(注册/zhuce)をして、アカウントを作ります。
ページ右よりの「登録(注册)」というボタンを押すと、以下のような表が出ますので、項目を記入していきます。
2 ログイン(登录)
アカウントができたら、用户名(ユーザー名)、密码(パスワード)および验证码(ワンタイムパスワード)を入力してログイン(登录/denglu)してください。すでに、アカウントがある人は、ここから始めることになります。
3 受検級を選択
ログインすると、HSK1級から6級まで、並んでいるので、その中から、自分の受検する級を選択します。
4 試験会場の選択
受験級を選択すると、次は、試験会場の選択です。選択肢から適当なものを選んでいきます。
州
州を選択します。中国で受検する場合、Mainland of China(中国大陸)。
香港で受検する場合、Asia(亚洲)となります。
国/地域
国などを選択します。 例)中国
県
省などを選択します。 例)广东
都市
都市を選択します。 例)深圳
考试形式
試験形式には、ペーパーテスト(纸笔考试)とネット受検(网络考试)があります。ペーパーテストは、センターテストみたいなマークシート形式です。ネット受検は、当日、試験会場に行って、パソコンを使って、試験を受けます。
ペーパーテストより、ネット受検のほうが締め切りに余裕があり、結果が出るのが早いです。
試験場所
試験場所は、選択肢の中から選べばOKです。実施場所が無い場合は表示されません。 例)深圳大学
試験時間
試験時間は、選択肢の中から、適当な日程を選択します。
全部、選択したら「提出します」をクリック
5 資料の入力
氏名、住所、パスポート番号、など個人情報を入力していきます。
6 写真をアップロード
自分の写真をアップロードします。写真は、資格等の証明用写真(40ミリ×30ミリ)でいいと思います。
アップロードできない場合は、フォーマットがJPGになっているか、写真容量が大きすぎないか(100K以下)確認してみてください。
アップロードできたら、あとは情報の確認をして、予約は完了です。
7 受検料の支払い
受験料の支払いは、微信(ウィーチャット)、支付宝(アリペイ)といった支払いアプリで行うのが一般的です。(現金払い等については、受検する試験会場に問い合わせたほうがいいでしょう。)
受検料
各級の受検料は、以下のとおりです。
1級150元、2级250元、3级350元、4级450元、5级550元、6级650元
上級になればなるほど、値段はあがります。結構、いい値段します。
受検料の振込みが終了すると申込み完了です。
8 受検票をプリントアウト
試験が近づいてくると、アカウントあてに、電子データで受検票が送られてくるので、プリントアウトしておきましょう。当日は、プリントアウトしたものを、受験会場に持参します。
HSK 試験日程、会場などについて
HSKの日程(2024年)
HSKは、基本的に、ほぼ毎月、実施しています。2024年の実施日程は、以下の通りです。
実際の実施状況は、各試験会場によって異なりますので、直接、最寄りの試験会場に聞いてみたほうがいいかもしれません。
試験時間
試験時間は、偶数級が午前で、奇数級が午後、となっています。なので、午前に4級受けて、午後に3級受けるという荒業?も可能です。
2級、4級、6級・・・・午前
1級、3級、5級・・・・午後
試験は、リスニング(听力)⇒読解(阅读)⇒作文(书写)の順番で行います。
ちなみに問題用紙は、試験終了後、その場で回収されますので、自己採点することはできません。
試験当日の持ち物
試験当日は、「受検票(プリントアウトしたもの)」と「パスポート」は持参しましょう。
ペーパーテストの場合は、さらに、筆記具等(2Bの鉛筆、消しゴム、鉛筆削り)が必要です。
あと、自分がリラックスできるようなグッズも準備しておくといいでしょう。(ペットボトルの水と座布団など)
試験結果
試験結果については、試験終了から2週間~1ヵ月後、自分のアカウント上で、しることができます。
成績は、リスニング、読解、作文、各100点の300点満点で、各パートごとに点数が出されます。300点満点の6割(180点以上)で合格です。
ただし5級と6級は、スコア制になってしまいましたので、合格、不合格の区別がありません。
就労ビザ取得のポイントにも
ちなみに、中国で就労中の場合は、HSKの取得級に応じて、就労ビザ取得の際のポイントとして、加算することができます。以下、獲得級とポイントです。
5-6級(10ポイント)、4級(8ポイント)、3級(6ポイント)、2級(4ポイント)、1級(2ポイント)
以上、HSK受検の申込方法についてでした。
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